企業が銀行から融資を受けられない理由

企業が銀行から融資を受けられない(借入ができない)理由

企業が融資を受けられない(借入ができない)理由には、次のようなものがあります。

銀行の信用格付けが低い

金融機関の信用格付けとは、企業や金融機関などの債務支払能力を評価し、信用力を示すものです。格付けは、アルファベットなどの記号で表され、投資をする際の信用リスクを測る重要な指標のひとつとなります。
金融機関が行う信用格付けは、決算書などの財務情報や、会社の技術力、経営者の姿勢や経営方針などの定性情報に基づいて行われます。格付けは、銀行が融資を行うか否かを判断する際の基準となっており、格付けが上がれば融資は受けやすくなり、融資条件も良くなります。
格付けは、格付機関によって若干の差異はありますが、アルファベットを用いて表されます。最も信用力の高い格付がAAA(トリプルA)、次がAA(ダブルA)、以下順番に信用力が低下していき、最も信用力の低い格付がD(債務不履行状態)となります。

銀行の信用格付けが低い原因について

債務超過である
債務超過とは、企業が抱えている負債総額が資産総額を上回っている状態を指します。資産をすべて売却しても負債が残っている財務状況のことです。
債務超過の状態が続くと、全資産を売却しても返済ができず負債だけが残るため、結果的に会社の存続が難しくなります。債務超過の最大のデメリットは、外部からの資金調達が難しくなる点です。
債務超過に陥った企業が仮に企業の清算を行ったとすれば、株主の取り分は全くないことから清算価値や理論株価がゼロと表現することもあります。
証券取引所では1年以内に債務超過の状態でなくならなかったときは上場廃止と定めています。
債務超過が続くと、次のようなデメリットがあります。
会社が倒産する可能性が高まる
・上場廃止になる
・銀行からの新規の借入が難しくなる
・銀行が、金利引き上げや借入金の早期回収を要求することがある
・仕入先や販売先からの信用が低下する
・取引先や金融機関からの信用を失う可能性がある
債務超過は、赤字を繰り返すことが原因で発生します。事業で利益が出れば資産は増えていきますが、赤字が出ればその分だけ資産が減っていきます。

債務超過の解消方法

債務超過を解消するには、次の方法があります。
・経営状態の見直しや立て直し
・増資
・債務の免除
・民事再生法や会社更生法を適用する
・遊休資産の売却
・債務を株式に転換する
・ファクタリングなどを活用した早期の売掛金回収
・デットエクイティスワップを依頼する
債務超過を解消するには、資本を増やして利益を計上する必要があります。ただし、債務超過が1年以上続くと上場廃止になるため、早急に対策を講じる必要があります。

事業の収支が赤字である

事業の収支が赤字になる原因は多岐にわたりますが、以下に一般的な5つの要因があります。

収益不足:収入が予測よりも少なかったり、コストが予想以上にかかることがあります。市場環境の変化や競合他社の影響、商品やサービスの需要の低下などがこの原因に関連しています。また、価格競争が激しくなり、収益を上げることが難しくなることもあります。

過剰な経費:事業が効率的に運営されていない場合、余分な経費が発生する可能性があります。過剰な人件費、不必要な設備や設備の維持費、無駄な広告宣伝費用などが含まれます。コストの見直しや節約策の導入が必要です。

資金不足:事業を遂行するための十分な資金が確保されていない場合、支払いの遅延や借金の利息が赤字の原因になります。資金調達の不足は事業計画の実行を阻害し、成果を上げるのが難しくなります。

市場調査の不足:需要や市場の変動を適切に予測できていない場合、商品やサービスの提供が適切でなくなり、それが収益の減少につながります。顧客のニーズや競合状況を把握するための効果的な市場調査が重要です。

効果的な経営の不足:経営陣や管理層が効果的な意思決定を行えていない場合、戦略の欠如や不適切な業績評価が原因となります。組織内でのコミュニケーションの不足や情報の非透明性も、収支の悪化につながります。
これらの要因は相互に影響し合うことがあり、総合的なアプローチが必要です。事業の収支改善を目指すには、効果的な戦略の見直し、コスト削減策の実行、市場環境のモニタリング、そして経営の透明性向上などが必要です。

事業計画がない

銀行から融資を受けるための事業計画書の作成は、融資審査の鍵となります。以下は、融資を受けるために有益な事業計画書を作成する際のポイントです。

明確なビジョンと目標の設定:まず最初に、事業計画書には事業のビジョンと長期的な目標を明確に記述することが重要です。銀行は投資先の将来の展望を理解し、持続的な成功を期待します。ビジョンや目標の設定は、経営者の計画と意思決定に対する洞察を提供します。

具体的かつ実現可能な財務プラン:融資を受けるためには、具体的で実現可能な財務計画が欠かせません。予測される収益、経費、キャッシュフローなどを詳細に示し、合理的な数値で説明します。また、将来の変動要因やリスクに対する対策も明示的に示すことが重要です。

市場調査と競争分析:銀行は市場環境や競合他社の影響を理解し、貸し倒れのリスクを最小限に抑えるために市場調査が求められます。事業計画書には、ターゲット市場、競合状況、顧客のニーズ、差別化戦略などに関する情報を提供することが必要です。

リスク評価と対策の提示:融資を受ける事業計画書では、将来のリスクに対する詳細な評価とそれに対する対策を示すことが求められます。銀行はリスクを最小限に抑えるための戦略やリスクヘッジの計画に興味を持ちます。具体的なリスクとそれに対する対策を明確に説明しましょう。

適切な利用目的の説明:銀行は融資をどのように利用するかに興味を持ちます。事業計画書には、融資の具体的な利用目的(新規設備の導入、拡張、運転資金の調達など)を詳細に説明し、その資金が事業の成長にどのように寄与するかを示すことが必要です。
これらのポイントを含む事業計画書は、経営者の信頼性を高め、銀行に対して融資を受ける価値があると認識させる効果があります。

信用情報に傷がある

企業の信用情報が悪化する原因はさまざまですが、以下に一般的な要因は月の通りです。

返済遅延や債務不履行:債務の返済を遅らせるか、債務を不履行に陥ると、信用情報に悪い記録が残ります。これは銀行や貸し手にとって、返済能力や信用度が低いと見なされ、今後の融資を難しくします。

過剰な負債と負担:企業が負債を適切に管理できない場合、資金調達や債務返済に支障を来すことがあります。負債比率が高すぎたり、返済期限を守れない状況が続くと、信用情報に悪い影響を与えます。

経営の不安定性や業績低下:企業の業績が低下し、収益が減少すると、信用情報に影響が及びます。経営の不安定性や収益の減少は、返済のリスクを高め、貸し手にとっては信頼性が低いと見なされます。

法的な問題や訴訟:企業が法的な問題や訴訟に巻き込まれると、信用情報に不利な情報が登録される可能性があります。これは信頼性や法的なリスクが高まると見なされ、融資の難易度が上がります。

保証人や担保の問題:融資を受ける際に保証人や担保が関与する場合、それらが問題を抱えていると信用情報に悪影響を与えます。保証人の信用が低い場合や、担保の価値が減少している場合、貸し手はリスクが増すと判断する可能性があります。
これらの要因は、企業が信用情報を損なう可能性があるものであり、融資を受ける際にはこれらのリスクを最小化する努力が求められます。経営者は適切な財務管理、リスク管理、法的コンプライアンスを行い、定期的な信用情報のモニタリングを通じて信用の向上に努めることが重要です。

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